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牧場勤め最後の日のアクシデント
2006-11-29 17:00:00 Category : 牧場生活
なんだかんだいって、牧場で暮らした3年間は楽しいものだった。
最初から最後まで、馬の気持ちは分からなかったけれど、馬が甘えてきたり、馬上で馬の首をなでているときは、少しは彼らとの距離が詰まった気がした。
牧場勤務最後の日。
僕は、3年間の思い出を胸に、感傷に浸りながら仕事をしていた。
放牧場から馬を馬房に戻すときに、事件はおこった。
その頃、翌年トレーニングセンターに入厩予定の2歳馬がいた。
僕が勤めていた牧場では、古馬を預かることが多かった。背たけがまだ低い2歳馬は珍しく、僕はその可愛さにメロメロになっていた。
馬のほうも僕の気持ちが伝わったのか、よく顔をすりつけて甘えてきた。
その2歳馬を放牧場から連れて帰るとき…。
いつもは絶対に暴れないその馬が、突然僕に回し蹴りを放った。
すっかり油断していた僕は、下腹部に痛恨の一撃を食らってしまった。
馬は、恐らく足元の虫でも追い払ったのだろう。
地面にうずくまる僕を、何事もなかったように見下ろしている。
今思えば、これから新しい生活が始まるというのに、ボーっと仕事をしていた僕に、馬が渇をいれてくれたのだろう。
強烈すぎた餞別だったけれど、気合が入ったのは確かだ。
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